NLの寝言

むにゃむにゃ

留数定理ってなんだろう

まず留数って何でしょう。定義を書きます。最初に読むときは飛ばしてください。

<留数の定義>

aは孤立特異点である。

 

正則関数 f(z)を点aでローラン級数展開すると

 f(z) = \sum_{n=-\infty}^\infty C_n (z - a)^n =

となる。このとき C_{-1} を点 aにおける留数という。

留数は Res(a)と表記します。

 

では説明していきます。

 

(1)孤立特異点って?

特異点とは、関数が点aで微分不可能なとき、それを特異点aといいます。

特異点aの以外では微分できるなら孤立特異点といいます。

 

(2)正則関数って何?

微分できる関数という意味です。

 

(3)ローラン級数展開って何?

テイラー展開の兄弟。詳しくは下の記事で書きます。

 

(4)留数って何?

複素数の値です。

 c_{-1}=\frac{1}{2πi} \oint_C f(z)dz

 ⇔\oint_C f(z)dz= 2πiRes(a) (複素積分値は留数がわかればすぐ計算できる!)

 

(4.1)なぜそんなことをするのか

 関数 f(z)ローラン展開して各項ごとに積分すれば、 \frac{1}{z-a}の項以外はすべて0になってしまうのです。 留数がわかれば積分の計算をせずに値がわかるんです。

 

次に留数を求める公式を紹介します。
 よく使う1位の極の場合の公式はこれです
 f(z)が点aを 1位の極とする。このとき留数は  Res(a) = lim_{z \to a} f(z)\
次に一般化したときの公式はこれです
 f(z)が点aを m位の極とする。このとき留数は  Res(a) = lim_{z \to a} \frac{1}{(m-1)!} \frac{d^{m-1}}{dz^{m-1}} \{(z-a)^m f(z)\}\
 
 

 

 

次に留数定理について書きます。

まずは定義から。読み飛ばしていいです。

 f(z) が 単純閉曲線C 内で、孤立特異点 a_1,a_2,a_3,・・・・,a_n以外で正則であるならば、

 \oint_C f(z)dz = 2πi\sum_{k=1}^n  Res(a_k)

が成立する。

 
(1)単純閉曲線って?
単純閉曲線とは、自分とは交わらない、かつ輪のような形(閉じている)の曲線のことです。