NLの寝言

むにゃむにゃ

新年の抱負

皆様あけましておめでとうございます。本年度もよろしくお願いいたします。

昨年度の大きな達成事項は、

・学会発で2件発表する

・満足できる企業から内定をもらう

・ポスター賞を取る

でした。内容的に十分満足のいく1年だったと反省できます。

2022年度の目標を年始に書きます。

学業

仕事

プライベート

の3軸で考えます。

学業

・研究で開発したコードを整備して、後輩に渡す(githubに上げる)

・場の量子論を楽しめる程度まで勉強する

修士論文を提出する

  論文としてそのまま出版できる結果(研究室に閉じたローカルな内容ではない)

  読者に親切さのある本文(図を見て読者に判断を委ねる書き方はしない)

  offensiveではなくむしろdefensiveな構成にする(誰からもケチがつかない、みんながそうだと思う内容)

 

仕事

・FE/APの資格を取る

・Insta / Lineで新しく100人つながる

・締め切りの1週間前に課題を提出して、上司に仕事が速いとほめられる

プライベート

・2週間に1冊読書、年30冊読む(物理から、哲学や経済の本にもスコープを広げる。ログも書く。自己啓発書はNG)

・資産運用を勉強して投資を始める and/or 簿記3級を取る

・海外旅行を1人で行く

 

心構えとして

・オープン化を恐れない

・H先生のようにどんな時でも落ち着く

・社会人1年目でしかできない質問やミスを憚らない

・本業以外の楽しみに繋がる趣味仕事を始めるための種まきをする。その種まきのテーマの共通点を探す(かつでもまたはでもない、メタ的な何か)

留数定理ってなんだろう

まず留数って何でしょう。定義を書きます。最初に読むときは飛ばしてください。

<留数の定義>

aは孤立特異点である。

 

正則関数 f(z)を点aでローラン級数展開すると

 f(z) = \sum_{n=-\infty}^\infty C_n (z - a)^n =

となる。このとき C_{-1} を点 aにおける留数という。

留数は Res(a)と表記します。

 

では説明していきます。

 

(1)孤立特異点って?

特異点とは、関数が点aで微分不可能なとき、それを特異点aといいます。

特異点aの以外では微分できるなら孤立特異点といいます。

 

(2)正則関数って何?

微分できる関数という意味です。

 

(3)ローラン級数展開って何?

テイラー展開の兄弟。詳しくは下の記事で書きます。

 

(4)留数って何?

複素数の値です。

 c_{-1}=\frac{1}{2πi} \oint_C f(z)dz

 ⇔\oint_C f(z)dz= 2πiRes(a) (複素積分値は留数がわかればすぐ計算できる!)

 

(4.1)なぜそんなことをするのか

 関数 f(z)ローラン展開して各項ごとに積分すれば、 \frac{1}{z-a}の項以外はすべて0になってしまうのです。 留数がわかれば積分の計算をせずに値がわかるんです。

 

次に留数を求める公式を紹介します。
 よく使う1位の極の場合の公式はこれです
 f(z)が点aを 1位の極とする。このとき留数は  Res(a) = lim_{z \to a} f(z)\
次に一般化したときの公式はこれです
 f(z)が点aを m位の極とする。このとき留数は  Res(a) = lim_{z \to a} \frac{1}{(m-1)!} \frac{d^{m-1}}{dz^{m-1}} \{(z-a)^m f(z)\}\
 
 

 

 

次に留数定理について書きます。

まずは定義から。読み飛ばしていいです。

 f(z) が 単純閉曲線C 内で、孤立特異点 a_1,a_2,a_3,・・・・,a_n以外で正則であるならば、

 \oint_C f(z)dz = 2πi\sum_{k=1}^n  Res(a_k)

が成立する。

 
(1)単純閉曲線って?
単純閉曲線とは、自分とは交わらない、かつ輪のような形(閉じている)の曲線のことです。
 
 
 
 

コーシーの積分定理ってなんだろう

 f(z) は 単純閉曲線Cの領域D 上で正則である複素関数とする。

このとき

 \oint_C f(z)dz = 0

である。

 

(1)正則って何?

 f(z)がDの中のどの点でも微分可能だとってこと!

(2)何が言いたいん?

ある複素関数が正則だったら、1周すると積分はいつも0ってこと

-----------------------------------

これを使って次の公式が求まります

コーシーの積分公式

 f(z_0) = \frac{1}{2πi}\oint_C \frac{f(z)}{z-z_0}dz

 z_0は」D内の点である。

 

[tex:]

積分公式を微分する公式

 f^{(n)}(z) = \frac{n!}{2πi}\oint_C \frac{f(z_0)}{(z-z_0)^{n+1}}dz_0

 

 

フロベニウスの定理って何?

フロベニウスの定理について説明します。

まずはいつもどおり定義から。

<定義>

n 次正方行列A の固有値を(重複も含め)  λ_1, . . . , λ_n とする.
このとき任意の多項式 f(x)に対し, 行列 f(A)固有値は(重複も込めて)  f(λ_1), . . . , f(λ_n) である。

 

意味がわからなくて当然です。一つずつ説明します。

(1)この公式って何が言いたいん?

 λ A固有値  → f(λ) f(A)固有値

正方行列Aの固有値は簡単に求まります。なのでそれを利用して別の難しい固有値を計算しようって感じ。

(2)正方行列って何?

こちらの記事に詳しく説明しています。

goitaru.hatenablog.com

 (3)固有値って何?

n次正方行列Aがあります。

その時、 A \mathbf{x} =λ \mathbf{x} を満たすベクトル\mathbf{x}

固有ベクトル、λがAの固有値です。

λはベクトルを伸ばしたり、縮ませたりする(線形性)意味です。

 

 

 

グリーンの定理について説明します。

<定義>

Cは単純閉曲線、DはCで囲まれた領域とします。

このときC1 級関数 f(x, y),g(x, y) について、以下が成り立つ。 

 \oint_C (fdx+gdy) \ = \begin{eqnarray*} \iint_D (\frac{\partial g}{\partial x} - \frac{\partial f}{\partial y}) dxdy \end{eqnarray*}

 

 何を言っているかわからなくて結構! 1つずつ説明します。

(0)この公式って何が言いたいん?

積分と面積分の関係を示しています。すなわち、経路の情報で面積がわかると言っています。

(1)Cは単純閉曲線って?

単純閉曲線とは、自分とは交わらない閉じた曲線のことです。

(2)DはCで囲まれた領域って?

Cで囲まれた内側部分のことです。

(3)C1 級関数って?

微分可能で、 f'(x) \が連続だよということです。

(4) \oint_C ってどういう記号?

始まりと終わりの点が一致しているときにつかう。点の動き(経路C)を示しています(線積分

つまり積分区間は図形1周分。

(5)左辺の意味って?

左辺は点の動く道筋(経路)を示しています。 関数をDを微分した領域で積分してます

(6)右辺の意味って?

偏導関数をDで積分しています。

左辺も右辺も、微分したものを積分していますよね?なので等しい。

(7)線積分って何?

経路Cを決めて、その経路(線)に沿う積分のこと。

 

 

 

行列第2回 種類わけ

 行列の種類を確認しておきましょう。

(0)零行列

 A = \left( \begin{array}{ccc} 0 \quad 0  \quad 0 \\ 0 \quad 0 \quad 0 \\ 0 \quad 0 \quad 0 \end{array} \right) \

のように全部0の行列を零行列といいます。

(1)正方行列

 A = \left( \begin{array}{ccc} a \quad b \quad c \\ d \quad e \quad f \\ g \quad h \quad i \end{array} \right) \

のように行、列の個数がともにNこである行列を N次正方行列といいます。

(2)対角行列 

 A = \left( \begin{array}{ccc} a \quad 0  \quad 0 \\ 0 \quad b \quad 0 \\ 0 \quad 0 \quad c \end{array} \right) \

 のように正方行列かつ、対角線以外が0の行列を対角行列といいます。

(3)単位行列

 A = \left( \begin{array}{ccc} 1 \quad 0  \quad 0 \\ 0 \quad 1 \quad 0 \\ 0 \quad 0 \quad 1 \end{array} \right) \

のように正方行列かつ、対角行列かつ、 a=b=c=1の行列を単位行列といいます。

 

-----------------------------------ここまでが基本 次から応用にはいります。

(4)転置行列

ある行列Aの行と列を入れ替えたものを転置行列といいます。例えば

 A = \left( \begin{array}{ccc} a \quad b \quad c \\ d \quad e \quad f  \end{array} \right) \

のとき

 {}^t\!A = \left( \begin{array}{ccc} a \quad d \\ b \quad e \\ c \quad f \end{array} \right) \ となります。